今年のGW、家族でモルディブ旅行に行った。往復ともシンガポール航空。ラウンジも快適だし、機内食もおいしい。乗り継ぎでシンガポールに立ち寄るのも、それはそれで楽しかった。
旅行が終わってしばらくして、ANAマイレージクラブの画面を見たら「13,562マイル」という数字が増えていた。シンガポール航空はスターアライアンスのメンバーだから、ANAマイルが貯まる。それを見た瞬間、素直に「マイル!いえい!」と思った。何かお得なことが起きた気がして、ちょっとうれしかった。
でも実はこのとき、私はANAの特典航空券を一度も取ったことがなかった。マイルが貯まる喜びは知っていても、「それをどう使うか」はまったくの未知数だったのだ。
いざ使おうとして気づいた現実
「じゃあ、このマイルで国内旅行でも行こうかな」
そう思って調べはじめて、最初にぶつかったのが「必要マイル数は時期と行き先で変わる」という事実だった。恥ずかしながら、私はマイルというのは「〇〇マイルでどこでも交換できる」ような、もっとシンプルなものだと思い込んでいた。実際には、羽田・成田⇔北海道や沖縄のような路線でも、繁忙期は往復18,000マイルというように、時期によって必要数がぐっと上がる。
「知らなかった…」というのが正直な感想だった。マイルは貯めるところまでは簡単だったのに、使う段階になって急に複雑さが顔を出してきた感じ。
調べてわかった、地味に厳しい現実
さらに調べていくと、いくつもの「思ったより厳しい現実」に出会うことになった。
単純に足りない。手元の13,562マイルでは、繁忙期の往復18,000マイルに対して4,438マイル不足している。
家族のマイルは合算できない。夫も息子もそれぞれANAマイルを持っているけれど、家族間でマイルを合算するには専用のANAカード(ファミリーマイル制度対応のもの)が必要。我が家はもともと「クレジットカードは増やさない、管理がややこしくなるから」という方針でやってきたので、この合算ルートは最初から選択肢に入らなかった。
ショッピングだけで埋めるのも非効率。不足分をANA Mileage Mallなどの買い物だけで埋めようとすると、それなりの利用額が必要になる。マイルのために買い物量を増やすなんて、これこそ本末転倒だ。
アメックス経由の移行も検討したけれど。夫が持っているアメックスのプラチナカードからもANAマイルへの移行はできるらしい。ただし調べてみると、移行レートの話、年会費の話、年間の上限、家族合算はやはりできないという事実…。条件が何層にも重なっていて、正直「これに時間をかけるくらいなら」という気持ちになった。
そもそも、この複雑さって必要?
ここまで調べてみて、率直に思ったことがある。マイル、正直かなり苦手だ。
SNSを見ていると、「マイルの達人」みたいな人たちがたくさんいる。路線ごとの必要マイル数を早見表で把握して、カードを使い分けて、キャンペーンのタイミングを狙って移行して…という世界。すごいなと思う一方で、自分には全然向いていないなとも思う。
正直な希望を言えば、「10万円使ったら1,000マイル」くらいのシンプルな設計にしてほしい。今いくら貯まっていて、それが何に交換できるのか、パッと見て分かるくらいで十分なのに、実際は時期・路線・カード・提携プログラムの組み合わせで数字が変わり続ける。初心者からすると、これはもう「わざとわかりにくくしてるのでは?」と勘ぐりたくなるレベルだ。
実際、複雑さには理由がある。飛行機の座席は数が決まっていて、普通に売れば数万円〜数十万円になる商品だから、繁忙期・閑散期で必要マイル数を変えて需給を調整している。ホテルの値段が時期で変動するのと同じ発想だ。それに、条件が複雑であるほど「使いきれずに眠るマイル」も増える。有効期限切れで消えていくマイルは、航空会社にとっては提供義務がなくなることを意味する。「達人」たちがその複雑さを解読するスキル自体を武器にしているのも、裏を返せばそれだけ複雑だという証拠なんだと思う。
つまり、私が感じた「わかりにくい」という違和感は、あながち的外れではなさそうだ。だったら、その複雑さを解読する努力に時間を使うより、最初から距離を置いたほうが自分には合っている。
たどり着いた結論
一つひとつ調べていくうちに、だんだんはっきりしてきたことがある。
マイルのために航空会社や旅行の時期を選ぶのは、本末転倒だ。
たとえば、ANA便が12万円で、他社便が8万円だったとする。差額の4万円を払ってまで数千マイルを獲得する意味があるかというと、多くの場合ない。4万円あれば、マイル以上の価値になることのほうがずっと多い。
そもそも今回の13,562マイルだって、「マイルを貯めよう」と思って選んだ結果ではない。モルディブ旅行にシンガポール航空を選んだのは、単純に価格と条件がよかったから。マイルは、その選択についてきた「おまけ」にすぎない。
結局、こういう方針に落ち着いた
- 旅行は価格・条件で選ぶ。航空会社やアライアンスは後回し。
- マイルは「たまたま貯まったもの」と考える。主役にしない。
- 有効期限(約3年)までは焦らない。今すぐ使い道を無理に探さない。
- 期限が近づいたら、その時点で一番損しない使い方を選ぶ。片道特典、ポイント交換、ギフト券化など、選択肢は複数ある。
「もったいないから」で無理に使おうとすると、結局価値の低い使い方になりがちだし、それは最初の「4万円多く払ってまでマイルを狙わない」という結論と矛盾してしまう。
まとめ:マイルは「おまけ」くらいがちょうどいい
13,562マイルをどう使うか、あれこれ調べてわかったのは、「使い切ること」よりも「振り回されないこと」のほうが大事だということだった。
マイルのために予定を変えたり、カードを増やしたり、複雑な移行条件を追いかけたりするのは、私たちの暮らしには合わない。それよりも、旅行はいつも通り価格と条件で選んで、マイルは貯まったらラッキー、くらいの距離感でいるほうが、気持ちがずっと楽だ。
ちなみに、マイル戦略が効いてくるのは、出張などで年に何十回も飛行機に乗る人や、複数のカードを意図的に使い分けられる陸マイラータイプの人、マイルを貯めること自体が趣味として楽しい人など。こういう人にとっては、マイルを軸に旅行を組み立てるのはまったく理にかなっている。うちはそうじゃなかった、というだけの話だ。
今回のモルディブ旅行の13,562マイルも、無理に使い道を探すのではなく、有効期限までのんびり構えておこうと思う。

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